専門家コラム No.007
自己肯定感が低い
と感じている保護者の方へ伝えたい…
忘れがちだけど大切なこと
はじめに
習志野市および近隣の市でご活躍中の専門家による、こそだて応援コラム。
今回は、子育て学び広場 にこあい 子育てアドバイザー acoさんによる、「保護者自身の自己肯定感UPのために大切なこと」についてのご提案です。
ご自身の日頃のがんばりをねぎらいながら、そしてお子さんのことを思い浮かべながら…ぜひご一読くださいね。
目次
こどもの前に「自分の自己肯定感が低い…」と感じている保護者の方へ。
もしかしたらたくさんの保護者がそう感じているかも?!
今回は保護者自身の自己肯定感UPのために、当たり前のようでつい忘れがちなことや、ちょっとしたコツをお伝えしていきます。親子そろって今年1年HAPPYに過ごせるようにぜひご一読ください。
1.小さな子をもつ保護者は自己肯定感が下がりがちな理由
これまでの、人とのかかわりの中で育まれる自己肯定感。ですが、どんな人も環境によって一時的に左右されることがあります。特に小さなこどものこそだて中は、自己肯定感が下がりやすく、これには理由があります。
2.こそだては思い通りにならないことがたくさん
これまでの人生では勉強、運動、仕事、趣味など努力したら何かしら成果があったはずです。
でも小さなこどもと過ごす毎日は、努力に関係なく予想外のできごとばかり。時間をかけて寝かしつけしてもすぐに起きてしまったり、何をしても泣き止まなかったり。一生懸命作ったご飯を食べなかったり、あっけなく床にポイっとされてしまったり。新しく買った洋服や靴をあっという間に汚されてしまったり、事細かに計画してお出かけしてもこどもの機嫌が悪くなって楽しめなかったり、体調を崩して延期になったり。
がんばっても結果につながらない…ということが続いてしまいます。
3.こそだて中はやることなすこと中途半端になりがち
日々の生活の中でも常に「ママー!」「パパー!」と呼ばれたり、こどもが危険なことをしていたら止めなければならなかったり、やっていることを途中で中断することも多いですよね。やりかけの掃除、洗濯、片付け。打ちかけのLINEを送信できていない!なんてことも。そんなことが続き、完了しないタスクがたまっていきがちです。
4.こそだて中は時間通りに行動できないことが多い
こどもが身支度を嫌がる、遊びを切り上げられない、お出かけ前の急なおむつ替えやアクシデントなど、時間通りに行動できないことも多々ありますね。集まりや待ち合わせの時間に遅刻してしまい、謝ってばかり…なんてことも。
小さなこどものこそだて中は、上記のような理由で自己肯定感を支える感覚のひとつ「自己効力感」(自分には出来るという感覚)を持ちにくくなってしまいます。そのため、誰しも自己肯定感が下がりがちな環境なのです。
5.自己肯定感を下げないために心がけたいこと
気づけば「ごめんね」や「わたしなんて」が口癖になっている保護者もいるかもしれません。でも、そんなふうに自分を捉えていては自己肯定感が下がるいっぽう!
そこで、こそだて中でも自己肯定感を下げない考え方のコツをお伝えしていきます。
6.立派な仕事「こそだて」をしている自覚を持つ
まずは大前提として、こそだてという立派な仕事をしている自覚を忘れずにいてほしいと思います。家事が完璧でなくても、ついガミガミ怒ってしまったとしても、今日も1人のこどもの命を守ってきたことには変わりないのです。みんながしているから当たり前のこと?いえいえ、みんなもあなたも、すごいのです!
小さな手、大切な命
こどもの命を守るこそだては
それだけで十分に立派な仕事です
みんなもあなたも、すごい!
7.小さなこどもを育てる保護者は保育士よりすごい!?
私は、上の子が1歳7か月の時に保育士の仕事に復帰しました。わが子と同じ1歳児クラスの担当だったのですが、その時驚くほど嬉しかったのが、給食の後の床掃除を誰にも邪魔されず完了できたことでした。「はあ~♡達成感!」と心から感激。家ではほんのすこしの家事をするにもこどもに邪魔され中断してばかりで、いつまでも終わらない家事にイライラすることが多かったのです。
でも保育士として仕事をしている間は、私が掃除を担当すれば、他の保育士がこどもたちをしっかり見てくれます。給食は栄養士が用意してくれるし、こどものことで困った時悩んだ時はすぐ同僚に相談ができます。また保育が計画通りに進むよう、チームで連携をするため、いろいろなお子さんがいても、アクシデントが起きても、こどもにとって良い環境を確実に用意できるのです。
仕事復帰して気づいたのは、私が掃除のできない人なのではなく、できない環境だっただけということ。復帰する前の私は「自分の能力がないからできない」と思い込んでいました。
1人でこどものお世話をするのは至難の業。今渦中にいる保護者の方も、完璧にできなくて当然の環境にいるのだ、ということを忘れないでほしいと思います。
8.こどものためにも「がんばらないこと」をがんばる
こそだて中の保護者は「みんなすごい!」「みんなえらい♡」を前提に、家事やこどものお世話を完璧にしないことを目指してほしいと思います。しっかりした方ほど手を抜くのは難しいことかもしれませんが、こどものためにも「がんばらないこと」をがんばる気持ちで。
9.「気の利かない保護者」を目指してみる!?
保護者がこどものお世話を「がんばらないこと」は、実はこどもの成長にも繋がります。
…というのも、こどもの失敗を防ぐためや、できないことを手助けするために、保護者がこどものしようとしていることを先回りしてしまうと、こどものチャレンジする機会を奪ってしまうのです。
例えば、重い荷物をこどもが運ぼうとした時。こどもが持つと持ちあがらなかったり、数歩しか歩けなかったりすることは目に見えています。それでも先に手を出さず、こどもがギブアップするまで待つのです。するとこどもにとってトレーニングの機会となり、本当に持ち運べる日は、チャレンジしなかった子よりグッと早くなるでしょう。
お菓子の袋をあける時、高いところに上る時、靴を履いたり着替えたりと身支度をする時など…まだ難しいことは先回りして手助けしてしまうことも多いと思うのですが、ぜひこどもの前では「気の利かない保護者」になって欲しいと思います。(安全面には配慮してくださいね!)
そうすることで、気を張る場面が減り、少し保護者の負担も減ると思います。こどもの成長にもつながるので一石二鳥です!
10.できないことよりできたことを数える
家事やこそだてのハードルを下げ、1日の終わりにはできたことを数えてみてください。
こどもに3食食べさせた。お風呂に入れた。好きな遊びをさせた。今日も大きな怪我なく守った。いろいろなチャレンジをさせた。保護者自身も健康に過ごせた。
小さなこともカウントして、たくさん自分をほめてくださいね。こどもに「いいこいいこ」となでてもらったり、ハグして「今日もがんばったね」とたたえ合ったりするのもいいですね。
「えみのわ」のお話会やママサークル「ニジーナ」(ともに、下記*執筆者紹介*参照)などに参加して、ママやパパのための時間やあたたかなコミュニティを持つのもおすすめです♡
ありのままの自分を認め大切にして、親子一緒にすてきな年にしてくださいね。
2025年1月4日
子育て学び広場 にこあい 子育てアドバイザー aco
*執筆者紹介*
執筆者
:子育て学び広場 にこあい 子育てアドバイザー acoどんな人?
:習志野市在住の2児(小学生の息子/娘)のママ。
グルテンフリー生活6年目。好きなことは米粉スイーツ作り。苦手なことはスポーツ全般と車の運転。活動内容
:元幼稚園教諭、現役保育士。ママを笑顔に導くカウンセラー。
自己主張強めの2人の子育てを楽しみながら、保育や子育ての記事を執筆中(あんふぁんWeb、たまひよWeb、まま・ここっと、キッズアライズ等掲載)。子育て相談、子育て講座も実施。
絵本『ねむたいひつじのぼうや』を執筆(好評発売中)。
ママによるプレママ・ママ&ベビーのためのサークル「NIGINA(ニジーナ)」では、スタッフ兼講師を務めている。
NIGINA(Instagram)はこちら → https://www.instagram.com/nigina_0122連絡先
:下記InstagramアカウントのDMへ
https://www.instagram.com/aco_nicoaimama
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2024年2月27日(木)には
千葉県習志野市で読み聞かせ会を開催♪
時間 10:30~11:30
場所 cafe fikasmysa
参加費 1家族さま1,000円
※親子各1ドリンクオーダー
<詳細を確認&申込む♪>https://forms.gle/UVfxWZMeuezeHmZs7
*編集後記*えみのわからお伝えしたいこと
こそだて世帯がかかえやすい悩みを軽減できるような情報をお届けしたく、保育のプロでもあり子育てアドバイザーでもあるacoさんにぜひ!と、コラムの依頼をさせていただきました。
上記のコラムには、こそだて中の多くのご家庭で「すぐに実践できる」内容がギュッと凝縮されています。
編集後記として、こそだて中のママの1人として大切だと考えていることを、せんえつながら付記させていただきます。
(1)感謝は「ありがとう」で伝えよう…!
こそだて中、特に未就園児さんの時代には、「すみません」と周囲に謝る機会が本当に多いですよね…!
気づくと、コンビニ/スーパーの店員さんにまで、レジでお会計をするときに「すみません」と言っていませんか?
道を譲ってもらった時、電車やバスで見知らぬ方がこどもの相手をしてくれた時、小児科でこどもを診てもらった時、こどもがおとなしく待っていてくれた時、ママ友(パパ友)に何かをしてもらった時。
「ありがとう」の気持ちで、「すみません(ごめんね)」と言っている場面は意外と多く、そこには無意識の「自分なんかのために手をわずらわせてしまって…」という、自分を卑下するような気持ちが隠れているように感じます。
このままでは、acoさんの上記コラムの内容のように、自己肯定感はどんどん下がってしまいます。
このため、こうした「感謝を伝える」場面では、意識的に「ありがとう」と言うようにしてみてくださいね。
きっと、自然と表情も明るくなり、気持ちもほんの少しだけ、明るくなっていきますよ。
(2)自己肯定感が下がったときは、まず休憩…!
自身の経験から、自己肯定感の低下は「こころ/からだの疲れ」とも密接に関係していると考えています。
疲れがたまっている時ほど、うまくいかないことが多く、「自分はなんてダメなんだ…」と落ち込むことも多いような気がします。
自分に自信が持てない
自分を大切に感じられなくなった
そんな時はまず、安全を確保したうえで、思い切って休憩してみてください。
気力/体力が少しでも回復すると、つらい気持ちがほんの少しだけ小さくなっていることに気づくのではないかと思います。
座る/横になる(からだの休息)
甘いものを食べるなどリフレッシュする(こころの休息)
その時々で可能な休憩を、ほんの少しでもいいので、意識してみてくださいね。
(3)こそだての不安は、専門家に相談しよう!
こどもの成長/発達、こどもとのかかわり方など、こそだてに関する不安があると精神的な負担が蓄積されて、間接的に自己肯定感が下がっていく…ということもあると思います。
不安があるときはひとりで悩まず、早めに身近な専門家に相談するのがおすすめです。
子育て支援センター(こどもセンター/きらっ子ルーム)の先生
小児科の医師/看護師
保育園/幼稚園などの先生
など、気負わずに気軽に相談できる人がいれば、不安が小さなうちにこまめに相談してみてください。
具体的なアドバイス/意見を聞くだけで気持ちがグッと楽になった、という経験は何度もあります。
気持ちがラクになるほど、下がっていた自己肯定感も少しずつ、戻ってくると思います。
本コラムを執筆してくれたacoさんも、子育て相談/子育て講座をおこなっているので、不安や相談したいことがある方は、上の*執筆者紹介*から、acoさんのHPやInstagramをご覧になってみてくださいね。
こどもも自分も大切にしながら、自分のための楽しみやほっとするリフレッシュタイムも、ときどきもてますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
えみのわ yoshimi
2025年1月4日
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