専門家コラム No.003
イヤイヤ期、
保護者のしんどいを軽減し
心軽やかに乗り切るコツ

はじめに

習志野市および近隣の市でご活躍中の専門家による、こそだて応援コラム。

今回子育て学び広場 にこあい 子育てアドバイザー acoさんによる、「イヤイヤ期の乗り切り方」についてのご提案です。

ご自身の日頃のがんばりをねぎらいながら…ぜひご一読くださいね。

目次

1.イヤイヤ期は成長の証し!でも…

イヤイヤ期は自我の芽生え。成長とともに「自分は一人の人間」と気づき、自らの意思で行動するようになる第一歩で、とても大切な成長過程です。

でも、まだまだ幼いこどもの自己主張に付き合うのは、とても大変なこと。イヤイヤ期は成長がうれしい反面、保護者がつらくなりがちな時期ですね。


2.イヤイヤ期にぐずる理由は大きくわけて4つ

なんでも「イヤ!」と否定されると保護者としては悲しい気持ちになってしまいますが、こどもなりにちゃんと理由があります。それを知っておくことで少し気持ちがラクになるかもしれません。イヤイヤ期にぐずる理由は、大きく分けると以下の4つです。


①自分でやりたい
②自分の思ったようにできなかった
③抱っこしてほしい、見てほしいなど、甘えたい
④お腹すいた、眠いなどの生理的欲求


①②の理由でぐずっているときは保護者が気持ちを汲み取って対応を工夫してあげるとよいですね。③④の時はこども自身も感情コントロールができず、すべてがイヤな状態。まずはできる限り甘えたい気持ちや生理的欲求を満たしてあげましょう。


イヤイヤ期のこどもが泣いたりぐずったりするのは、成長過程の中で本人なりの葛藤があり、保護者の対応が悪いわけではない、こどもは保護者を責めているわけではないということを常に頭に入れておきたいですね。


3.イヤイヤ期の対応のコツ

イヤイヤ期の保護者の対応でよく大切と言われるのが、「こどもの気持ちを受け止めてあげましょう」「なるべく自分でできるように環境を整えてあげましょう」ということ。

これらはとても大切なことで、「自分でできた!」の積み重ねでこどもは成長していきます。


でも、実際にこどもと一日過ごしていると、要求に答えてあげられない場面がとても多いですよね。答えてあげたくても全然うまくいかない、こどもを泣かせてしまう、こんな状況の繰り返しが、保護者をつらくさせていると感じます。


(1)受けとめるけど受け入れない

そこで取り入れてほしいのが「受けとめるけど受け入れない」姿勢。


例えばこどもはまだ遊びたいけれど、どうしても時間通りに行動しなければならない場面で、「まだ遊びたかったね」と気持ちは受けとめるけれど、さっと遊びはおしまいにして片づけてしまい、まだ遊ぶという要求は受け入れない。気持ちを受け止めることで「自己主張していいよ」のメッセージを伝えることができます。こどもの要求に答えられず我慢させる時があっても、自己主張を肯定するだけで充分なのです。


「自己主張」は、生きていく上でとても大切なことです。

自己主張に対し、全否定や脅しの声掛けをしないことを心がけましょう。

(例「わがまま言わない!」「置いていくよ!」など)


4.イヤイヤ期の対応は遊び心を取り入れて

とはいえ、こどもがぐずるとつらいなあ…と感じることは多いですよね。少しでも明るい気持ちで過ごせるように遊び心を取り入れて接してみるのも手。

保育士時代にしていた対応や関わってきたママたちから聞いた、たくさんのアイデアがありますが、今回は3つピックアップしてお伝えします。


(1)ぐずっている場面を撮影

大泣きしているところをそっと撮影。盛大に泣くのは姿は時期を過ぎたらだんだんと見られなくなるので、あとから見るといい思い出に。本人に見せても冷静になるようです。


(2)反対語で伝えてみる

なんでも嫌がる子には、あえてやって欲しいことと反対の言葉で伝えてみることも。

例えばお風呂を嫌がるときに「絶対お風呂入らないでね~?」など。すると「やだよー!」と言ってすんなり入ってくれることも。「これはできないよね?」と挑発するような声かけも「カンタンだよ!」とやってくれるかも。


(3)保護者やお気に入りのぬいぐるみで泣きまね

こどもがやるべきことをせず駄々をこねだしたら、保護者が先に「え~ん」と泣きまねをします。するとこどもが「大丈夫、大丈夫!ぼく(わたし)に任せて」と慰めたり助けたりする役に回ってくれるかも。お気に入りのおもちゃが困っている設定もあり。


おもしろおかしい対応ですが、この時期ならではのかわいい反応を、楽しんでやってみてくださいね。

お気に入りのぬいぐるみが
困っている設定で…

おもしろおかしくイヤイヤに対応♪

5.時には保護者が感情的になってしまっても大丈夫

イヤイヤ期の子を持つ方からよく聞くのは、感情的に怒ってしまって自己嫌悪…という悩み。

かわいいわが子とはいえ、一人の人間の感情を一日中受け止めるのは、すごく大変なことだと思います。保護者だって人間なのでイライラすることがあるのは当たり前。

しんどい時は「今は休ませて」「それをされるとつらい」など、こどもに保護者の気持ちを伝えることがあってもよいと思います。こどもは保護者を信頼しているから自己主張をします。こどもが自己主張を続けているのであれば、信頼関係は壊れていないということです。


一人でこどもを見続けている場合、限界がきて怒鳴ってしまうこともあるかもしれません。

怒鳴ってしまったらダメな保護者…?そんなことありません。そんな時は頑張りすぎ、休めのサイン。周りの人に頼ることや一時保育、ファミサポなどのサービスを利用するなど、助けを借りて休んでほしいと思います。


心と身体に余裕を持ち、わが子のイヤイヤ期をおもしろがってかわいがって乗り越えていけたらいいですね。もっと詳しく知りたい方は、にこあいで開催している「心軽やかにイヤイヤ期を乗り切るお話会」にもご参加くださいね。みんなで話してみると「うちだけじゃなかった!」と安心できるはず。一人で悩まずイヤイヤ期を乗り越えていきましょう♪


2024年8月1日

子育て学び広場 にこあい 子育てアドバイザー aco

*執筆者紹介*

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*編集後記*えみのわからお伝えしたいこと

こそだて世帯がかかえやすい悩みを軽減できるような情報をお届けしたく、保育のプロでもあり子育てアドバイザーでもあるacoさんにぜひ!と、コラムの依頼をさせていただきました。

上記のコラムには、こそだて中の多くのご家庭「すぐに実践できる」内容がギュッと凝縮されています。


編集後記として、こそだて中のママの1人として大切だと考えていることを、せんえつながら付記させていただきます。


(1)こどもとふたりきりになる時間を減らしてみる

何をしても「イヤ~!」と拒絶されることが多く、精神的な負担感が大きくなりがちなイヤイヤ期。

現在6歳息子がイヤイヤ期真っ盛りだったころは、こどもとふたりきりの時間が長くなるほど、つらさを強く感じました。


など、ほかの人の目があるところにでかけて「自宅でこどもとふたりきり」という時間を短くするように工夫していました。

「大変だよね~」と共感してもらえるだけで、こころがほっとあたたかくなり、気分転換にもなったのを覚えています。


(2)お昼寝の時間帯をねらって、気分転換!

熟睡しやすいうえ、こどもが寝ている間にほかの用事を済ませられるので、自宅でお昼寝をさせる方は多いですよね。


もしも「ちょっとでもいいから気分転換したい…」と感じたら、お昼寝の時間帯をねらって外出するのもおすすめです。

公園などでおもいきり遊んで疲れた後は、ベビーカーでお昼寝タイム。

カフェなどで好きな飲み物/おやつをゆっくりと味わえれば、疲れたこころがほんの少しほぐれてほっとできます。


コツは「カフェに寄れたらラッキー」程度の期待にとどめておくこと。

元気なイヤイヤ期キッズは、思惑通りに寝てくれないことも多いですよね。

もしも寝られなかったら、「スーパーで好きなおやつを買って一緒におやつタイムをたのしもう」というくらいの気持ちでいれば、寝てくれなかった時のガッカリ感が小さくて済みます。


いつかは落ち着くイヤイヤ期

でも、イヤイヤ期真っ只中のときは「いつ終わるのか?」がわからず、長いトンネルのなかに自分だけが取り残されているような孤独感を感じることもありますよね。

こどもも自分も大切にしながら、自分のための楽しみやほっとする時間も、ときどきもてますように


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

えみのわ yoshimi

2024年8月1日

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